雪かき車・貨車
雪かき車(キ)
キ1形…国産初の国鉄雪かき車
キ100形…SL時代の代表的な雪かき車
電動貨車(モワ)
モワ51形…開業の年から在籍
その他貨車
ワフ101形…生え抜きの有蓋緩急車
ワフ301形…元伊那電鉄の有蓋緩急車
ワ111形…生え抜きの有蓋車
ワ115形…明治の国鉄有蓋車
ト131形…生え抜きの無蓋車
トム141形…大正の国鉄無蓋車
トラ151形…謎の国鉄発注無蓋車
チ111形…ワ111形改造の長物車
"キ"や"モワ"って何?
車両の種類を表しています。例えば"モハ"のモは、電動車(モーター付のモ)という意味で、ハは3等車という意味です(3等車とは、今でいう、乗車券だけで乗れる普通車のことです。イロハの順に1等(通常の列車では絶滅)・2等(今のグリーン車)・3等と当てていました)。他にデンテツにあるものを挙げてみると、
・ク…制御車。モーターは無いが運転台がある
・ワ…有蓋貨車。屋根がある。普通は自分で走れないが、モワ51はモがついているので自分で走れる
・ト…無蓋貨車。屋根が無い
・チ…長物車。レールなどを載せる
・フ…緩急車。車掌などを乗せる
・キ…雪かき車。昔は、ラッセル・ロータリー・マックレーなど色々な方式があった
※トラ141など、トの後についているのは、貨物を積める重量を表す記号です。記号なしが13t以下(キ116は30.3tもある貨車ですが、1tも積めないので記号なし)、ムが14~16t、ラが17~19t、サが20~24t、キ(雪かき車のキとは違う)は25t以上と、"ムラサキ"になっています。
"モ"と"クモ"について
JR世代の方(私もですが…)だと、「なぜ運転台があるのに"ク"が付かないんだ」と疑問に思われることでしょう。実は国鉄(現JR)も、編成ものの登場前は"ク"があるのはクハだけでした。なぜかというと…当時は、今でいうキハ40系などの気動車のように、電車も編成単位ではなく、1両単位で編成を組まれていました。そのため、どこが先頭になってもちゃんと運転できるように、ほとんどの車両に運転台がついていました。モーターがついていれば運転台があるというのが常識だったわけです。しかし、編成ものの80系の登場(1950(昭和25)年)で、運転台を持たない万年中間のモーター車、中間電動車が発生し、(1959(昭和32)年)の車両称号規程改正の際に、中間電動車をモ、制御電動車をクモと改められたわけです。ただ、当時編成ものとは無縁だったほとんどの中小私鉄は、国鉄にあわせることなく、以前の国鉄称号規定を参考に定めた自社独自の称号を使い続けました(適用車が無かっただけで、実際はクモを定めているところもあったかもしれません)。デンテツもそのクチで、幸い廃止まで中間電動車の流入が無かったため、最期まで自社独自の称号を使い通せました。
形式番号について
モハ11形モハ11のように、番号のほうにもモハやクハをつけるのが正式な書き方ですが、形式と番号の記号が食い違っている事例(例:伊那電気鉄道デ120形デハ124)というのはそう多くはありませんので、通常は番号の記号を省略してモハ11形11と書かれます。当サイトもこれに従います。